退職から退去まで3日間という日を過ごしていた。

片付けと引越し、職場で出会った人にだけ挨拶を済ませ、形式的な菓子折りを置いていき、立会い。逃げるようだった。

送別会などはもちろん断った。人間的に素晴らしい人たちもいたし名残惜しいところもあるといえばある。世間話でいろいろ言われてることもあるかもしれない。でも死人に口無しというか、過ぎてしまえば終わりでいいのだ。あまり記憶には残りたくない。

 

次は決めていない…とはいったものの、せっかくまだ関東にいるので、勢いで退去した数時間後に期間工の面接を入れた。

単純にお金がなかったのと、田舎に帰るのがめんどくさかったこと、同じ場所でずっと働きたくないことなど、ほとんどのしょうもない理由を手軽に解決してくれるからだ。

 

久しぶりにスーツを着て街を歩いた。普通に働いている人に擬態している感覚があった。マスクもして仮面効果で堂々とできるかなと思ったが、自分はやっぱり外が怖い。アニマだ。これが自分の本質なんだ。

そんなことを感じながら面接を受けた。

答えが決められていない質問にうまく答えられないどころか、少し前に経験した状況をそのまま言うことすらつまづいた。頭では質問の意味を理解していたけど表現することがスムーズにできない。

 

自分はなんてだめな人間なんだ。たぶん何か精神疾患がある。目に映る人全員が自分より能力が高い…なんて思いながら帰った。

コロナの影響でどうなるか分からないけど、すんなりいけば乗るしだめなら田舎に帰る。

 

書いていることを見返しても、とにかく逃げ、自虐、恐怖が根底にある。悲しい人間になってしまったと思う。